刀職者/甲冑師 実技公開
明けましておめでとうございます。
今回は、東京九段に明治2年(1869年)に創建された靖國神社新年の参拝風景と、刀剣に関するイベントをご紹介します。
靖国神社の境内は、コロナ禍とは思えない賑わいで、拝殿にお詣りする長蛇の列が続き、境内では様々な催し物が開催されていました。
新年三が日の参拝者数は、例年はおよそ110,000人ですが、コロナ感染の影響のために、今年の参拝者数は82,000人程に止まっています。
新年の靖国神社では、毎年刀剣関係の多くの催しが開催されています。
“奉納 新春刀剣展”
奉納新春刀剣展は、2023年1月1日から1月14日まで開催されました。
展示は太刀1口、刀4口、脇差5口、短刀5口で、見学者は、刀匠から出品されている新作刀の解説に熱心に耳を傾けていました。
また、写真やイラストも多数展示され、刀の製作の様子なども分かりやすく解説されていました。
“特別企画の実技公開”
刀剣研磨(藤代興里/龍哉)、刀身彫刻(橋本琇巴-ハシモト シュウハ)、刀身彫刻(木下宗風)、白鞘(水野美行)の実技公開が行われました。
翌日の3日からは、全日本刀匠会関東支部の刀匠による、刀身の仕立や土取り銘切りなどや甲冑師による甲冑着用の実演が披露されました。
“現代刀鑑賞会”
全日本刀匠会関東支部主催の現代刀鑑賞会は、現代刀を身近に親しむ目的で始まった鑑賞会で、毎年1月15日に開催され今回で10回目の開催になりました。
今年の参加者数は男性11名に対して、女性は19名と男性より多数の訳は、ブラウザゲーム「刀剣乱舞」が2015年の配信されて以来、女性の愛刀家が爆発的に増えた影響が今も続いています。
今回の鑑定刀は川崎晶平(アキヒラ)、下島房宙(フサヒロ)、森 光廣(ミツヒロ)、小沢 茂範(シゲノリ)刀匠の4作品が鑑定刀として出品され、参加者の皆さんは全問正解を目指して、入札合戦を繰り広げていました。
鑑賞刀には、木下義髙(ヨシタカ)刀1口と鑑定刀を出品した刀匠の4口を加えた5口が出品されました。
今回の入札鑑定では全問正解者(天位)が8名と、過去最高の人数で、出題した刀匠達を驚かせていました。
全問正解者には、刀匠が作った舟釘小刀等の記念品が贈られました。
靖国神社の境内には、1932年〜1945年の間に8,100口に及ぶ日本刀(靖国刀)を造刀した、(財団法人)日本刀鍛錬会の鍛錬所の建物が今も残っています。
日本刀鍛錬会の建物は、内装を茶室に改装して、現在も使われています。
写真解説
1:神門から拝殿へ
2:獅子に頭を噛まれると幸運が来るという
3:拝殿に続く長い列
4:おみくじに願いを込めて
5:絵馬 、願い事を書いて祈る
6:新春刀剣展 展示会場
7:刀剣の解説をする石井成道(なりみち)刀匠
8:銘切り 森 光廣(ミツヒロ)刀匠
9:土置き 高橋恒厳(ツネヨシ)刀匠
10:鞘師 水野美行(ミユキ)
11:刀剣研磨師 藤代龍哉(タツヤ)
12:刀身彫刻師 木下宗風(ソウフウ)
13:甲冑師 甲冑着用の実演
14:現代刀鑑賞会 鑑賞風景
15:下島房宙刀匠による自身刀の解説
16:鑑定刀の全問正解者(天位8名)
17:(旧) 財団法人 日本刀鍛錬会 鍛錬所
取材を許可を頂きました靖国神社と、全日本刀匠会関東支部に感謝いたします。
英訳 三品謙次
リポート&写真 トム岸田